【この国の政治を変えたいなら、若者は批判以外にすることがある。】

「このワカメ、あまっちゃうからさ」
「ナスがね、腐っちゃうから持って帰ってよ」

僕の地元は、神奈川県・横須賀市にある小さな町だ。
漁師や農家の方が多いこの地では、よく前述のような会話が行き交っている。

最近は地域のコミュニティが失われていることが社会問題とか。
だけど、どうやら僕の地元はそんなことと無縁。
時計の針が止まっている、と言えるのだろうか。

横須賀といえばその他にも、日露戦争でバルチック艦隊を破った、世界三大戦艦の一つ、「三笠」や、幕末の黒船来航に関わる史跡が数多くある。
坂本龍馬の妻、おりょうのお墓もここ、横須賀にある。
小さい頃から“幕末”や“戦艦”といったものに囲まれて育ったからなのか
僕は幼いころから政治や社会には関心が、あった。

学生時代から政治や社会に対して何かを訴える若者は、珍しいものではない。
最近でも、昨年12月の衆議院総選挙や、いま注目されている安保法制について、若者が何かアクションを仕掛けるということさえある。

しかし、若者が政治に関わると、いつも「あいつらは、何も知らない癖に―― 」と冷たい目で見られることがある。
俗に言う「意識高い系」。僕みたいに政治に関心のある若者は、世間からは同じような人間として見られているだろう。

次の国政選挙では、18歳が選挙権を持つようになる。
きっと、同じような陰口をまた叩かれることになる。

でも、僕は若者がそのように言われてしまうのを、一方で「仕方ない」と思う。

若者にかぎらず、日本では政治家を批判したり、
政府が考えていることを「批判だけ」しようとする人が多いように思う。
先に述べた「政治的関心の高い若者」も、批判や反論が言説の中心だ。

でも、それは本当に世の中をよくするのだろうか。

僕はそう思わない。
若者は、「手に入れたい未来の日本の姿」を提案するべきだろう。

だって、若者にはそのチャンスもあるし、責任もあるじゃないか。
批判だけしたって、きっと何も変わらない。歳を取って自分に回ってくるまで何もしないんじゃ、勿体ない。

「じゃあ、お前は何をやってるんだ?」
このままでは僕も批判に終わってしまうので、若者の一人として日本の「未来を提案」したい。

僕はNPO法人ドットジェイピーの主催する「未来国会」という
”若者による”未来提案型政策コンテストの代表をしている。
未来国会は、「未来の総理大臣」の輩出を掲げて生まれた政策コンテストだ。
過去5回開催し、今年の大会でも北海道から熊本まで、日本全国から100人ほどの若者が出場する。
観覧者も含めると500人近い若者が参加する、日本最大のコンテストだ。

なぜ、このコンテストが必要なのか?

伊藤博文から今の安倍首相まで、歴代の内閣総理大臣が総理になったときの年齢を平均すると、60歳を超えてしまうというデータをご存知だろうか。
日本は、それほどまでに若い人材が世の中の主役になりにくい。
でも、海外を見るとどうだろう。オバマ大統領は48歳で大統領になった。しかも、ケネディ元大統領(米)、ブレア元首相(英)、キャメロン現首相(英)にいたっては、44歳でその国のトップの椅子に座った。

若者が世の中を批判するだけでなく、社会の未来を責任の持てる限りで提案する。
そして、本当に自分の手で形にしてしまう――。

僕は、日本をこういう国に近づけたい。
「何も知らない癖に」と陰口を叩く者に対しては、毅然として「批判ではなく提案」という形で言い返してやろう。
未来国会は、僕の願うそんな理想の国に必要な“提案できる若者“を育てる大会だ。

そしたらきっと、遠くないいつか。
「日本の若者は頼もしい」と、大人になった僕らが話すことができるような国になれるかもしれない。

横須賀の海は、今日も――穏やかに見えるだけ、なのだ。
時計の針は、止まらない。
僕たちが大人になったとき、この地域は、日本は、どうなっているだろうか?

そして敢えて言いたい。
どうなっているのだろう、と憂慮するのではなく。
「こうするんだ」と、僕たちは声を挙げるべきなのだと。

時が進んでも、いつまでも僕が好きな日本であってほしい。
僕には造りたい日本がある。
だから、問う。若者たちよ、共に「批判ではなく提案」をしようじゃないか。

 

 

NPO法人ドットジェイピー
吉田・間瀬

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>